今さら聞けない「マーケティング」とは? ヤフー担当者が答える「お悩み相談」

2018年06月28日

今さら聞けない「マーケティング」とは? ヤフー担当者が答える「お悩み相談」

新人マーケターの皆さん、こんにちは。新年度が始まってはや3カ月。マーケターとしての仕事には慣れたでしょうか? そろそろ業務について悩みが出てきたころかもしれませんね。そんな時、頼りになるのが先輩たちではないでしょうか。 今回、ヤフーのマーケティング担当Aが、これまでの経験を生かして、上司にはちょっと聞きづらい(かもしれない)皆さんの悩みに答えます!

さまざまな定義があるので混乱してしまうかもしれないね。でも、基本はとてもシンプル。特に企業活動においては「製品やサービスが売れる仕組みづくり」と考えると分かりやすいよ。基本的なプロセスとしては、まず、マーケット(市場)の欲しているものを適切な方法で調査し、その結果を精査して商品やサービスの開発や販売手法に活用する。その後、顧客の反応を踏まえてさらなる改善をしていく。ことデジタルマーケティングの世界では、このサイクルはさらに加速しているよ。

一方で、時代によってマーケティングそのものの捉え方や手法は変化し続けているよね。かつては、モノを多くの人にあまねく届けるためのマス・マーケティングが主流だったけど、近年は「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」(※1)という格言もあるように、顧客志向のマーケティングが重視されているんだ。

また、最近はグローバルな視野に立ち、ITを顧客とのコミュニケーションに用いることも求められているよ。とはいえ、これも現時点で有効とされる考え方で、正解とはいえない。マーケットは、多くの生活者が織りなす生き物のようなもので、常に姿を変えて進化し続けている。その変化をいち早く捉えて新しい仕組みを作っていくのが、マーケティングといえるのではないかな。

周りに次から次へとユニークな施策を提案する先輩がいるかもしれないけど、それは彼ら彼女らに特別な才能があるというよりは、日頃からのトレーニングの積み重ねの結果。アイデアだしはセンスよりも、テクニックによる部分が大きいんだ。 1人でできるトレーニングとしては、中心となる概念からキーワードを枝葉のように広げていく「マインドマップ」や、ロジカルシンキング(※2)に基づいてモレなくダブりなくピラミッド状に課題を分析するMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:ミーシー)がよく知られているね。また、ホワイトボードに「転用」「応用」「拡大」など9つのチェック項目でアイデアを展開していく「オズボーンのチェックリスト」といった少人数チーム向けの発想法も活用できるよ。どれがアイデアを創出するのに最適なのかは、商品開発なのか販売戦略なのかといったシチュエーションによって違うけれど、一番良くないのは、せっかく思い浮かんだことを「これは面白くない」「こんなことを言ったら笑われるから黙っておこう」と自分の中で封印してしまうこと。思いつきでもふとしたきっかけでアイデア同士が化学反応して、これまでになかった組み合わせの「斬新なアイデア」に結びつく可能性もあるよ。

  • 「ブレーンストーミング」を考案したことで知られるA・F・オズボーンのチェックリストをもとにヤフーにて作図。

世の中にはたくさんの人がいて、年齢や性別、ライフスタイルの異なるユーザーの気持ちをすべて把握するのは難しいよね。また、今求められている顧客志向のマーケティングのためには、基本的な属性だけで分類した従来の「ユーザー」といった考えでは、精度が低く不十分ともいえる。そこで必要なのが、綿密に設計したユーザーインタビューやアンケート、行動観察を通じて得られた、内面まで含めた人物像(ペルソナ)を描くこと。

例えば企画を立てる際に、「共感マップ」というのを使ってあるターゲット層の内面を可視化する方法があるよ。これは、ユーザーインタビューやアンケートの内容から「見えていること」「言っていること」「やっていること」「感じていること」を下図のように各象限に書き出して整理するんだ。こうすることで、そのターゲット層が何を求めているのかが見えてくる。このような作業を経てはじめて、ユーザーが本当に行いたいこと、行いたくないことが理解できるようになるはずだよ。

  • 「共感マップ」の」作成例

キュレーションアプリにSNSだけでなく、テレビや新聞。マーケターたるもの、毎日の情報収集は欠かせないという意識を持つのは大事だよね。もちろんこうしたテクノロジーやメディアを駆使して効率よく情報収集する姿勢も大切だけど、大量の情報をただやみくもに収集することで満足していないかな。

マーケターに必要なのは市場の細かな変化をキャッチして、どのターゲット層に対してどのようなアクションすれば、どんな結果がもたらされるのかという仮説構築の力じゃないかな。漫然と情報を集めただけではこの力は鍛えられないよ。むしろ厳選された情報から、さらに自分なりの考えをまとめていくトレーニングが必要。そのためには、デジタルマーケティングの最新動向や、インターネット上にある膨大なユーザーデータの活用に関連する記事を意識的に毎日チェックしてみるのがオススメ。そこで得られた情報をもとに考える訓練を続けていけば、短期間でマーケターとしての基礎が身につくよ。

※1 『マーケティング発想法(英題:The marketing mode: pathways to corporate growth)』(セオドア・レビット、1969年)においてレオ・マックギブナ氏の考えとして紹介されており、マーケティング業界の格言になっている 参考記事:【解説】サービス・ドミナント・ロジック(SDL) https://d-marketing.yahoo.co.jp/entry/20170413456715.html?sc_i=yj_blog-d



※2 参考記事:【Dの視点】言葉の学習プロセスにみるロジカルシンキングの習得方法 https://d-marketing.yahoo.co.jp/entry/20170511464043.html?sc_i=yj_blog-d

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