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サービス情報 公開日:2020.03.31

【事例】Yahoo!広告 新プラットフォーム移管に向けた取り組み _株式会社ワンスター

ディスプレイ広告(運用型)

ダイレクトマーケティング領域で躍進を続ける、株式会社ワンスター(以下、ワンスター)。企業理念と20項目に及ぶ行動指針『BeSTAR(ビスタ)』を掲げ、信頼第一をモットーにどこまでも顧客視点であり続ける姿勢に今回の成功のヒントがありました。


ヤフー株式会社では、これまでの「Yahoo!プレミアム広告」および「Yahoo!プロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」を「Yahoo!広告」へ移行を進めています。その中で、ワンスターは一足早く 2019年8月よりYahoo!広告の利用を開始いただきました。

移管後の広告効果や移管にあたっての事前準備、社内体制の整備、メッセージの浸透手法などをご紹介します。

今回は、デジタルDRM事業部に所属する5名の方に取材しました。

Yahoo!広告への反応は?

Yahoo!広告の新しいプラットフォーム移行についての印象を教えてください。

  • デジタルDRM事業部 第一マーケティングソリューション局 平瀬風樹氏

平瀬 風樹氏(以下、平瀬氏):営業としては、"率直にワクワク"していたというのが正直なところです。今回は「管理画面が変わる」「キャンペーンの目的設定ができる」と、これまでのYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)(以下:YDN)の動きとは違うなと感じました。 最も期待を寄せていたのは、アルゴリズムの学習精度の向上です。学習精度が増したとの情報を聞いていましたので、精度が向上することで、これまで以上に運用型のディスプレイ広告で効果を出しやすくなるなと思いました。


木島 祐介氏(以下、木島氏):運用面からみた見直しポイントは3つあると思っていました。


1. 入稿フローの整備
2. フリークエンシーなどベストプラクティス再検証
3. 自動入札に備えたアカウント構築


新しいプラットフォーム上でも効率的に入稿できるフローを早々に構築しました。また、アルゴリズムの変更により、これまで確立していたベストプラクティスを再検証しなければなりません。自動入札を見据えたアカウント構成についても、同様に見直しました。ただ、どの点もワンスターが得意とする分野であり、攻略できれば新プラットフォーム運用で優位に立てるのではないかと感じました。



Yahoo!広告の導入にむけて事前に準備されたことはありますか?

  • デジタルDRM事業部 メディア局 木島祐介氏

木島氏:導入開始時には、そこまで自動入札を使いこなせていませんでしたので、例えば、PCの男性だけを同じグループに入れてみるなど、自動入札タイプのコンバージョン最大化に向け"機械学習"が効きやすいアカウント構成を試してみました。

社内とクライアント、移管推進のポイントは?

  • (左)デジタルDRM事業部 第一マーケティングソリューション局 石原佑里子氏
    (右)デジタルDRM事業部 メディア局 石川夢子氏

石川 夢子氏(以下、石川氏):導入にあたって工夫したのは、入稿フローの構築とアカウント構成の見直しです。入稿に関してはシステム局のメンバーに協力してもらい、フローを構築しました。アカウント構成は、運用チームが構築・命名ルールも策定し営業メンバーに説明するなど連携して進めました。


平瀬氏:組織体制に特長があると思っています。1つのメディア局が1媒体だけを専門にやっているので、媒体とのコミュニケーションが取りやすく、情報量も圧倒的に多いです。そのため、営業メンバーは運用担当であるメディアチームを全面的に信頼して任せています。この点は、今回のような大きなプラットフォーム変更に対しても対応しやすいかなと思います。


クライアントへの情報共有で工夫された点はありますか?


平瀬氏:新プラットフォームの特長である「コンバージョン目的を設定できる」というのは、お客様に響いていたと思います。設定した目的に向かって、学習が促進される点は、お客様の印象もよかったです。


石原 佑里子氏(以下、石原氏):何よりも新プラットフォームを説明するのに営業担当者が理解していないのは厳しいなと実感しています。以前のプラットフォームとの違いを社内勉強会等で共有し、営業担当が仕組みを正確に理解できればお客様へも提示しやすくなります。


石川氏:運用以外にも、勉強会やルール作りも実施しています。お客様に移管の同意をいただくために有効なのは、「勉強会の実施」と早期の「事例創出」だと思います。 我々メディア局のメンバーは、ヤフーの担当者から情報をもらっているので新プラットフォームの特長や効果については理解できています。そこを、勉強会という形式で、お客様に向き合っている営業に知識を落としこみ、お客様へ説明しやすい環境を整えました。 事例の創出に関しては、今回の新プラットフォームでの改善事例、成功事例をとにかく出すということを意識しています。健康食品や化粧品と運用領域を絞っているので、成功すれば横展開しやすくなります。


石原氏:学習面の促進に関しても、テストして実際に効果がでると「本当に『学習』効くんだね」といった感想をいただきます。テストなど新たなチャレンジの際は、まずリスクをしっかりとお伝えする。2~3日は「学習」がかかっていないから悪化するリスクはあるけれど、他案件での成功をお伝えします。成功した場合、これくらいの拡大性がありますという、先のビジョンまで伝えることで、「リスクも伝えるけどそのあとに返ってくるバックは大きいよ」と"待ち"の気持ちを作ってもらうように努めています。

新プラットフォームでの運用実績は予想通り?

アカウント構成クリエイティブなどの運用事例を教えてください。

中山 麗一氏(以下、中山氏):キャンペーン構成は変わったものの、クリエイティブに関しては大きな変更は入れていないです。もともと、人物画像をメインにYahoo!コンテンツディスカバリーで効果の良かったものを参考にしていました。レコメンド型のバナーではありますが、CVR(コンバージョン率)での効果も出ています。

  • デジタルDRM事業部 クリエイティブ局 中山麗一氏

石川氏:アカウントによっては、クリエイティブの傾向が変わったケースもあります。これまでは、CTR(クリック率)を軸として露出重視で作成していたのですが、露出はするものの、すぐにコンバージョンに結びつかなくなるケースもありました。新しいアルゴリズムでは、オークション要素がコンバージョンに寄っています。クリエイティブも変更して、露出もするようになり、CVRが改善して安定してコンバージョンも取れるようになりました。


新しいプラットフォームでの自動入札について、印象を教えてくだい。

石川氏:最適化の機械学習が効きやすくなるのは、新プラットフォームのポイントだと聞いていたので、広告グループを細分化せずに、できるだけまとめてひとつの広告に実績がつきやすいアカウント構成に見直しました。もう一つ、自動入札の効果が出やすいとのアドバイスをいただいたので、コンバージョンが15件ほどたまったタイミングで早めにチャレンジしたアカウントもありました。


木島氏:自動入札への切り替えは、余裕をもって100件ほどコンバージョンが溜まったタイミングを目安にしています。切り替え後は、コンバージョンを維持したまま同じ誘導枠で2ヵ月ほど掲載されるなど、以前プラットフォームと比較して、クリエイティブの寿命が長くなった印象があります。


石原氏:自動入札は、今後の最注力課題です。導入率も今が一番高く、6月に向けては3倍くらいの目標を持って取り組んでいます。


「仕組み化」「スピード感」「仮説検証」を強みに ~ 代理店の成功がお客様の成功につながる緊張感

最後に新プラットフォーム導入にあたっての組織内情報共有や取り組み方について参考になる部分があれば教えてください。

平瀬氏:我々には、『BeSTAR(ビスタ)』をベースとした「理念経営」があり、その理念に共感した方を採用する「理念採用」を実施しています。今持っているスキルを重視しているわけではなく、実際に経験の浅い方が入社するケースも多くあり、業務の"仕組み化"はとても自然なことになっています。仕組み化に必要な"スピード感"が徹底されているのもワンスターの特長の1つです。今回のような新しい情報が入ったら、すぐに共有します。スピード感は、お客様の売り上げに直結するため、今回も情報収集、共有、仕組み化をかなりのスピードで実施しました。


最後は、"仮説検証"です。仮説を立ててとりあえずやってみる。ダメだったらすぐに変えてみる。新プラットフォームでの運用は、まさに軌道修正している最中です。仮説検証にはリスクが伴いますが、そこはお客様の承諾を得ながら、スピード感をもって取り組んでいきたいと思います。

※当記事は2020年2月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。

※取材/文:水谷 美由紀(ヤフー株式会社)

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