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サービス情報 公開日:2020.04.23

【事例】 株式会社サイバーエージェント _ 新プラットフォーム移管に向けた取り組み

ディスプレイ広告(運用型)

独自で開発したシステムやAIを利用した環境を保持し、1,000名を超えるオペレーション専門部隊やクリエイティブに特化した専門組織を保有するなど、広告運用において唯一無二の存在感を放ち続けている株式会社サイバーエージェント(以下:サイバーエージェント)
広告媒体のアルゴリズムを徹底的に研究し、独自の厳しい品質基準に基づいた運用手法で、Yahoo!広告 ディスプレイ広告への移管(※1)においても、顕著な成果を出し続けています。


今回は、東京と大阪、2拠点でYahoo!広告 ディスプレイ広告の移行推進をご担当されている4名の方にお話を伺いました。

「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」についての率直な印象を教えてください。

長船 真治氏(以下、長船氏):広告運用に関してできることが増えていてポジティブな印象です。管理画面の使い勝手や機能面については、これまでも様々な意見交換をしながら、都度改善につなげてもらっていると感じています。今後も引き続きアップデートされていくとのことなので、さらに使いやすくなると期待しています。


宮下 隆蔵氏(以下、宮下氏):新しい配信アルゴリズムに合わせて最適なアカウント構造を検証しながら運用をしていますが、運用のしやすさや目的とする効果が出やすいことを感じています。


運用開始にあたりどのような準備をしましたか?

近藤 立麻氏(以下、近藤氏):「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」に対応するための専用プロジェクトチームを作りました。プロジェクトチームで得られた検証結果を社内で共有し、運用をサポートするメンバー含め全リソースを投下してスピード感をもって移行を進めています。
スピードに加えて、お客様のメリットを最大化するためにも、先行するアカウントでリスクを徹底的に洗い出し検証して他のアカウントへ展開できるステップを取っています。
もちろん、それぞれのお客様で、コンバージョンゴール、ビジネスゴールが違うので、正解は一つではありませんが、ある程度汎用性を持ったルールを作成することで、効率よく展開することができました。


堀切 健人氏(以下、堀切氏):移管についてお客様に説明する際には、ヤフーの担当者に同行してもらい機能変更の内容や移管のメリットをお伝えしました。おかげでお客様にもスムーズに了承頂けたと思います。


宮下氏:私の担当アカウントでは、スピードに加え、より確実な効果を見極めるため、移管によるリスクを想定したアカウント構造の変更を行いました。 また、フリークエンシーキャップのカウント対象がビューアブルインプレッション数になるなど、細かい変更点も出ているので、注意事項として整理し社内に共有しました。


近藤氏:もともとアカウント構造を細分化しすぎていたという課題がありましたので、自動入札を設定した時のコンバージョンボリュームを想定して、アカウント構造をシンプル化しました。また旧プラットフォームでは、リーセンシーで広告グループを分けていましたが、自動入札ではリーセンシーをシグナルとして認識してくれるので、効果を最大化できるようアカウント内の統合を進めました。

「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」を実際に運用してみて、実際の広告効果はいかがですか?

近藤氏:ECサイトのお客様は、「コンバージョン」目的に設定しているのですが、移管後は自動入札に切り替えることでCVR(コンバージョン率)が高くなっています。長期間で比較した場合に、自動入札の成果が上がっていると感じます。自動入札と手動入札でABテストを実施しているのですが、そこでも自動入札の成果が出ていました。


長船氏:現状では弊社で管理しているアカウント全体35%を自動入札にしていますが、成果が上がっているケースが増えています。ディスプレイ広告(YDN)は、アカウント構造や入札戦略など、こだわれば拘るほど成果が出てくる印象が強く、移行当初は時間をかけ手動で作ったアカウントのほうが成果が良いケースもありました。
最近は自動入札の精度がどんどん上がってきて追いついてきた印象です。今後はこの傾向はさらに加速すると考えています。


宮下氏:電子書籍のアカウントを担当しています。1日のキャンペーン予算の設定が必須になり、予算配分の学習機能が向上した結果、移管前と比較しても時間帯別の予算が効果的に配分できていると思います。他の施策との兼ね合いもありますので一概には言えないものの、CPC(クリック単価)についても10~20%安く運用できています。


なおデータフィード系の動的ディスプレイ配信では、自動入札ですぐに効果が出ました。データフィード系でコンバージョン数が多いアカウントは、そのまま自動入札で最適化できると思っています。今後より最適化が進み、クリエイティブの精査にかかっている時間をさらに削減できることを期待しています。


堀切氏:ブロードリーチに近い、属性データだけのターゲティングで運用した場合、最適化によって成果が出る兆しが見えてきました。以前は、ブロード配信では成果が出にくい印象でしたが、移管後は広告グループ単位で細かいターゲティングをしなくても、CPA(獲得単価)が見合ってきているので、投資費用を増やせそうです。


宮下氏:これまでのプラットフォームでは、顕著な効果を出しにくかった動画フォーマットの可能性が見えてきたことも見逃せません。今回、コンバージョン目的で動画フォーマットの広告を運用したら、静止画と比較してパフォーマンスが高くなることがあったので、今後動画広告にも力を入れていけそうです。


4月からYahoo!広告 ディスプレイ広告が全代理店に提供されていますが、今後どのようなところに力を入れていく予定ですか?

近藤氏:まずは全アカウントの移行を目指したいです。担当アカウントは全て移行していますが、一部アカウントは再度アカウント構造を見直して、効果を最大化できるように調整していきたいですね。


長船氏:自動入札は新プラットフォームの特長なので、社内でも検証を進め、新しいアルゴリズムの精度向上にも貢献したいですね。また、動画フォーマットへの挑戦やYahoo! JAPANが提供しているサービス配信面以外への配信強化などは着実に進める予定です。


宮下氏:アカウント構造の最適化を早々に完了し、クリエイティブ効果検証のフェーズに早く持ち込みたいですね。4月からの全代理店提供前にアカウント内の実績を積み、アドバンテージを持っていたいです。


堀切氏:動画の使い方はより深く考えていきたいです。今までと違って、配信目的を動画再生以外のコンバージョンなどに設定して最適化できるので、成果が出る動画の内容や尺の長さを業種カットでも検証していきたいです。



■株式会社サイバーエージェント
近藤 立麻_ インターネット広告事業本部 第二本部 戦略局 エグゼクティブコンサルタント
長船 真治_ インターネット広告事業本部 第二本部 西日本1局 シニアコンサルタント
宮下 隆蔵_ インターネット広告事業本部 第二本部 西日本1局 シニアコンサルタント
堀切 健人_ インターネット広告事業本部 第二本部 1局 チーフコンサルタント


※1ヤフー株式会社は2019年11月より、「Yahoo!プレミアム広告」および「Yahoo!プロモーション広告(スポンサードサーチ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」を「Yahoo!広告」に移管する統合プラットフォーム戦略を進めています。サービス統合に合わせ、運用ツールも一つのプラットフォームに集約されます。さらに、設定した広告出稿の目的(コンバージョン、動画再生、サイト誘導など)に合わせて効果を最大化するアルゴリズムに変更され、ユーザーの興味関心や購買意向に基づくターゲティング機能も活用できます。



文/編集:水谷 美由紀(ヤフー株式会社)

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