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ガイドライン・広告品質 公開日:2020.06.15

広告品質の「信頼と安全」を守る! Yahoo! JAPANの考えるトラスト&セーフティとは

Yahoo!広告

2019年10月、ヤフー株式会社は、広告の品質課題への意識の高まりを受け、マーケティングソリューションズ統括本部下に「トラスト&セーフティ本部」を設置しました。トラスト&セーフティ本部の役割とは ―― 本部長・一条裕仁に、その狙いを聞きました。


トラスト&セーフティ本部とは、どのような組織でしょうか?

Yahoo! JAPANは、メディア事業だけでなく、広告配信事業、データソリューションなど、さまざまな事業を展開しており、担保すべき品質課題は多岐にわたります。

インターネットの規模は、想像を上回るレベルで大きくなっています。それと共に、近年では、虚偽広告など表示内容の不正な広告掲載の問題、アドベリフィケーションにより対策が進められているブランドセーフティやアドフラウドなどの掲載面に関する不正の問題、インターネットユーザーデータの利活用に関するルール整備の必要性などへの注目が高くなっています。

広告の品質に対して真摯に向き合うことは、メディアとしての義務であると考えています。課題に対して、どのような対策をしていくのか。明確なアンサーを示すことが使命と捉え、それらを統括する組織が必要であると感じていました。

実は、広告に関わる品質を担保するための役割を担う部署は、以前よりありました。しかし、より一丸となって取り組むべきであると考え、2019年10月、トラスト&セーフティ本部を設立しました。名にもある通り、広告の「信頼(トラスト)」と「安全(セーフティ)」を担保することが、我々の組織の掲げるミッションです。

Yahoo! JAPANを利用する全ステークホルダー、ユーザーをはじめ、広告主、提携パートナーなど関係する全ての方々に、信頼と安全を感じていただく組織と受け留めて欲しいと思っています。

  • ヤフー株式会社 トラスト&セーフティ本部長 一条裕仁

具体的な推進体制について。

この本部には、大きく3部門の役割を担う部署があります。一つは広告事業に関わる基準・ガイドラインを定める「ポリシー部門(※1)」。次に、それに基づき広告や広告掲載面などの審査をする「審査部門(※2)」。そして、品質担保のためのシステム開発をする「審査プロダクト部門(※3)」です。各メンバーが、日々品質のために、悪質な不正などの排除に取り組んでいます。

お伝えしたように、不正広告問題、ブランドセーフティやアドフラウド問題、データの利活用のルール整備は、喫緊の課題です。我々の本部では、これらの課題が全て担当領域です。これらの課題に関する業界動向を常にウォッチして、いち早くルールの制定を行い、不正などの排除のためのオペレーションおよびシステム化に向けて動いています。


※1:ポリシー室

広告事業に関連する基準・ガイドラインの制定・管理を行う。
Yahoo! JAPANや配信パートナーサイトに掲載する広告の掲載基準や、広告が掲載される配信パートナーサイトに関するガイドライン、広告におけるユーザーデータの適切な利用に関するガイドライン等を管理する。
一度定めたガイドライン等であっても、社会情勢や法改正など、様々な要因により見直しが必要となる。そのため、各業界の動向に常にアンテナを張り、業界団体との連携等を実施する。時には、法令化がまだされていない課題に対しても、健全な広告事業のためにバランスのとれた判断をする必要となることもある。
ユーザー、広告主、メディアの声にも、常に耳を傾け、信頼され続けることを目指す。

※2:審査部

広告ならびに広告掲載面のクオリティの維持・管理を行う。
「広告審査」「広告主審査」「掲載面審査」を実施。「人の目による審査」と「システムによる審査」の2本立てで行うことにより、精度を高める。
専門知識を有する審査担当者が、専用に開発されたシステムを駆使し、日々インターネットの安全性を確保するため取り組む。
人の目を介した審査の強みは、精緻な判断だけではなく、時代の空気やその時々の傾向を肌で感じられる点にあると考え、「不適切な広告や掲載面がインターネットユーザーの利益を損ねないこと」という軸をもとによりクオリティの高い健全な広告プラットフォームの提供を目指す。
定期的に広告審査の精度を計測するほか、審査担当者間で勉強会や説明会を実施することで、質の担保と向上に努め、さらに、審査を通じて得られた知見を社内に提供することで、ガイドラインの整備やテクノロジーの向上に貢献する。
このほか、広告主からの審査に対する相談や問い合わせに対応することで、より良い広告の掲載サポートも実施している。

※3:プロダクト部

リスク判定を行う「自動審査」のためのシステムを構築する。
1日約4000万件入稿される広告に対して全件目視する事は出来ないため、システムにより大量の件数を高速処理。広告入稿から広告配信までのリードタイム短縮に努めると共に、リスクのある広告を配信させないことによって、品質を担保する。
機械学習技術を活用し、複雑化する広告に対して高度な審査を行う。現在、規模拡大のためのモデル開発・導入を実施、さらに審査担当者の知見や審査業務ノウハウのシステム化によって、人による審査に近い精度を出すことを目指している。
人が行っている業務を全て機械化することが目的ではなく、広告主やユーザーのために「人が審査した方が良いもの」と「システムが審査した方が良いもの」を区別させ、最適化させていく。


今後の展望をお聞かせください。

信頼と安全を掲げる組織として、「透明性」を特に大切にしていきたいですね。これまで、皆様に広く公開していなかった取り組みについても、お伝えできる範囲で発信していきたいと考えています。ヤフーによるこれからの取り組みが、インターネット広告業界全体の健全性に少しでも貢献できるよう願っています。


広告品質の健全化の取り組みについて、詳しくは以下をご覧ください。


プロフィール
ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部 トラスト&セーフティ本部長
一条 裕仁(いちじょう あきひと)

関連リンク:
広告品質のダイヤモンドの取り組み

※当記事は2020年6月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。

※新型コロナウイルス感染防止のため、リモートにて実施しています。

※文/池亀 久美子(ヤフー株式会社)

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