【対談】CCCとYahoo! JAPANが叶える「オンラインとオフラインの統合」

2020年11月09日

【対談】CCCとYahoo! JAPANが叶える「オンラインとオフラインの統合」

【シリーズ】Yahoo! JAPANが考える、Withコロナ時代のデジタルマーケティングとは?~ 5

Yahoo! JAPANの「消費者理解・広告効果分析」の数ある商品ラインナップのうち、OMO(Online Merges with Offline)を実現する「Yahoo! JAPAN 購買効果分析」。Tポイントの購買データを活用した本ソリューションの真の「課題解決力」について、Tポイント会員のデータを活用したマーケティング事業を展開するCCCマーケティング株式会社 デジタル企画ディビジョンの増田 有悟氏と、ソリューションを牽引するヤフー株式会社 コンサルティングサービス部長の重山に話を聞きました。

Yahoo! JAPAN 購買効果分析とは何か? また、開発の経緯は?


ヤフー株式会社 重山(以下、重山):
オフライン(リアル店舗)での購買が多い商材、主にFMCG系(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)や飲料系の商材では、「コンバージョンの指標がない」という長年の課題がありました。これらの商材は、通販でも購入されますが、実店舗で購入するケースが多いと思います。つまり、オンライン(デジタル)上での効果測定はできても、オフラインでの最終的なコンバージョンが可視化できていなかったのです。広告接触者へ後日アンケートを行うという方法もありますが、記憶があいまいになっていたりする場合もあるため、厳密には正確な指標と言えませんでした。この課題を解決すべく、数年前から、Tポイント会員データを保有し、オフライン購買データに強いカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)様と連携して、実購買行動を可視化する取り組みを始めました。CCC様とのアライアンスにより、3500万規模の実購買パネルを有することが可能となり、より詳細な分析ができるようになりました。これは他のプラットフォーマーには真似のできないことですし、仮に今から新規でこのスキームを構築するのは、相当難しいかと思います。

CCCマーケティング株式会社 増田 有悟氏(以下、増田氏):当社の武器は何といってもデータボリュームです。これまでオフラインで行う施策の効果検証は行ってきましたが、オンラインでの施策の効果検証には取り組めていませんでした。ヤフー様との取り組みを通して、当社が持っているオフラインの実購買データを活用することで、結果として従来の当社のプロダクトの強化にもつながっています。現状はリアルタイム連携などは至っておりませんが、リアルタイムで状況を把握、施策に生かすということも検討していきたいと考えております。


図:CCC購買データとYahoo! JAPANデータ

具体的な運用について


重山:
前述の通り、Yahoo! JAPAN 購買効果分析との親和性が高い業種はFMCG系がメインですが、「自社はオンラインで完結しているが、競合商品がオフライン」というような広告主様など、本当にさまざまな業種の広告主様からご利用いただいています。運用としては、CCC様から購買データを転送いただき、ヤフー側で広告ログなどとの連携を行っています。

リターゲティングや興味関心ターゲティングに、オフラインの実購買データが加わることで、配信に厚みが出てきます。配信ターゲットリストを作ったり、出稿済みの広告に紐付けて購買検証を行ったり、日々PDCAを回している状況です。さらに、ヤフーの検索データを基に、商品を購入した人の趣味嗜好やデモグラフィックの違いなども検証しており、買った人、買わなかった人のそれぞれに共通する傾向の差なども分析しています。

分析が大変そうと思われるかもしれませんが、充分な数の分析官を確保しており、また、レポーティングテンプレートも拡充しているので、問題はありません。案件によっては、CCC様にお任せするケースもあります。

テンプレートは、シンプルな購買リフトレポートのイメージです。「全体+属性別」で構成されており、広告接触者/非接触者に対しての購買者含有率や、前後でどれくらい購入金額や購買者数が上昇したかなどが分かります。

検証例としてはどのようなものが?


重山:
ひとつは、実購買データでのセグメント検証です。A・B・Cと仮説ターゲットを設定し、どのセグメントが購買に結び付いているかを見るものです。ダイレクトレスポンスであれば、クリック率(以下、CTR)とコンバージョン率(CVR)を見ればすぐ分かりますが、オフラインはそうはいきません。質問調査、しかも人数が100人程度のボリュームだったりするので、検証としては若干不十分です。実購買データであれば、どのセグメントが最も購買に寄与したのかが一目瞭然です。

ふたつめは、クリエイティブの検証です。通常、オンライン指標ではCTRや視聴完遂率などが重視されると思います。しかし、視聴完遂率が高くても、実際に購買に至ったかは分からない。本当に効いているのかが、この検証で可視化できるのです。


増田氏:オンライン施策が刺さる方、オフライン施策の方が刺さる方、それぞれいらっしゃいますので、そこのデータも分析しています。例えば、広告接触者が継続して購入したか、トライ&リピートの後の1回あたりの購入金額が上がったか、などを見ています。

また、DMなどのオフライン施策におけるクリエイティブのノウハウや知見については当社はかなり保有していますが、オンラインの施策に関しては、後発のため最適化等のノウハウが少ない状況です。今後はヤフー様と協力して、オンラインの最適化にも取り組んでいきたいと考えています。

重山:さらに、買った人、買わなかった人、それぞれの検索傾向の分析も可能なのが強みですね。例えば、ノンアルコールビールを購入した人の内訳を見ると、女性は妊娠中に購入が増えている傾向などが検索行動に表れます。「なぜ購入したのか」が分かれば、今後のクリエイティブへの示唆になるのです。余談ですが、化粧品メーカー、特にドラッグストアで販売される化粧品ブランドでは、クリエイティブ検証の観点が強いように感じます。

アンケートの調査結果をCCCのデータで再現することもあります。競合セグメント、ロイヤルユーザーに共通する傾向や、オフラインでの継続率、購入単価の高い人に共通する傾向、年間購入金額の分布などもCCCのデータがあればすぐに分かります。さらにはブランドスイッチのタイミングも。多種多様なセグメントを作ることができるため、ブランドマーケティングだけではなく、販促意図での活用例が多いですね。


図:集客構造イメージと購買検証

コロナ禍での変化、今後の展望


重山:
どこの業界も厳しく、プロモ―ション施策を絞っている広告主様も多いと聞いています。しかし、この状況下だからこそ、購買に紐づく施策は重視されると考えています。今後もYahoo! JAPAN 購買分析に対するニーズは高いと思います。

増田氏:業種業態にはよりますが、消費者が特定の店舗に行く頻度は減って来ていると感じます。その中で、来店時にいかにアプローチするかが大事です。きちんと買ってもらうためのプロモーションがより重要になり、購買検証ができないメディアに予算を投下することは減ってくるのではないかと。「購買意向の醸成」がカギになると考えます。

重山: テレワークの増加による影響として、たとえば化粧品購買においては従来通りのプロモーションでは効果が出にくいケースもみられると、一般的な傾向として聞きます。しかし、消費者の動きが分かっていれば、対策の打ちようがあるはずです。飲料系は家飲み需要が増えて、伸びて来ています。
検索データも有効ですが、世の中の流れを可視化できるのが「実購買データ」の最大のメリットです。キャンペーン施策を繰り返すことで、ノウハウは蓄積されていきます。今までの知見を次に生かしてPDCAサイクルを回して、傾向を探っていく。先日の記事で、弊社の鍵山が話していたように「1つの結果だけで判断しない」ということが大切だと考えています。例えば、ダイレクトレスポンスでは「CVRを見ながらセグメントをチューニング。視聴完遂率を見ながらクリエイティブをテスト......」といった手法が主です。実購買データを活用することで、CCCマーケティング様と共にこのYahoo! JAPAN 購買効果分析のソリューションを、さらにロジカルに実施していきたいと考えています。

増田氏:はい(笑)。オンラインとオフラインの統合は乗り越えなければならない壁が高いですが、ヤフー様と当社だからこそできる本商品を生かして、より先進的な取り組みを積極的に進めていきたいですね。

(おわり)

本商品について、詳しくは以下をご覧ください。


対談者プロフィール

  • CCCマーケティング株式会社
    デジタル企画ディビジョン
    増田 有悟

  • ヤフー株式会社
    マーケティングソリューションズ統括本部
    テクノロジーサービス部
    コンサルティングサービス部長
    重山 直志




※当記事は2020年9月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。


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