1番目の指名検索「指名キーワード起点」が新たなブランディング指標に

2021年10月07日

1番目の指名検索「指名キーワード起点」が新たなブランディング指標に

Yahoo! JAPAN 第一想起分析(以下、第一想起分析)は、商品やサービスの検索順位を分析し、検討状況を可視化します。

今回、ユーザー群がYahoo!検索から商品・サービスのサイトに遷移する際に、最初に検索したキーワードが指名キーワード(企業名や商品、サービス名など)だった場合、コンバージョン率(以下、CVR)が最も高くなることが実証されました。この起点での指名キーワードの重要性について「第一想起分析」開発担当者のヤフー株式会社・達富麦太が解説します。

「一般キーワード」で検索されやすい商品・サービスの第一想起を分析

「第一想起分析」は、ある商品・サービスを検討し始めたユーザー群が、Yahoo!検索で1番目に検索したブランドを分析するソリューションです。
多くの商材は「旅行 温泉」「賃貸 東京」といった、特定のブランドを含まない「一般キーワード」で検索されますが、このような商材の第一想起を分析するために開発されたのが、「流出先URL版第一想起分析」です。
この分析ではユーザーのサイト遷移の順序を可視化します。

例えば、「旅行 温泉」と検索したユーザー群が、A社のサイトに遷移した後にB社のサイトへ遷移し、再びA社のサイトに遷移してコンバージョンする、というような行動傾向が見られます。このようなユーザー群の検討行動をとらえ、A社のサイトが1番目に遷移(流出)する確率は、ユーザー全体の〇%だと判定します。

1番目に検索されたキーワードが「指名キーワード」の場合、「一般キーワード」と比較してCVR約12倍

商品・サービスサイトへの遷移はSEOの結果だと思われるかもしれませんが、ブランド認知を調査する「純粋想起」や「助成想起」と同じように考えることができます。
例えば、「旅行 温泉」と検索したユーザーが、検索結果画面に表示されたブランド名を見てクリックすることは「助成想起」に近く、検索窓に商品・サービス名を入力することは「純粋想起」に近いといえます。
検索はユーザーの想起と関係があり、「第一想起分析」では、深堀して分析することが可能です。

「流出先URL版第一想起分析」において、起点となる1番目の検索キーワードを「一般キーワード」と「指名キーワード」に分けて分析したところ、興味深い結果が得られました。

ヤフーの検索データを使って、旅行を検討しているユーザー群が1番目にサイト遷移した際の検索キーワードを見てみると、「旅行 温泉」のような「一般キーワード」で検索するユーザーが多数で、具体的なブランド名など「指名キーワード」で検索するユーザーは多くありませんでした。しかしながら、「指名キーワード」で検索し始めたユーザー群のCVRは、「一般キーワード」で検索を始めたユーザー群に比べ、なんと12倍も高い結果となったのです。

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    【旅行業界】起点での一般キーワードと起点での指名キーワードCVR比較

    ※集計対象期間 2021年4月1日~30日
    ※Yahoo! JAPAN調べ
    ※旅行業界平均

つまり、「旅行 温泉」などの「一般キーワード」で検索するユーザーの獲得が重要である一方で、そもそも検索前のタイミングで、ブランド名を想起させるような事前のブランディングが重要だと分かりました。
今回の実証結果は、旅行業界のほか飲食店やふるさと納税など、繰り返し利用される頻度が高い商品・サービスを扱う業界で特に有効です。また、人材など利用機会は多くないものの、不定期でアクセスが続くようなサービスも効果が期待できます。

検討ユーザー群に絞り込んだ起点での指名検索により、自社ブランドの想起状況を精緻に把握

ユーザーが検討し始めるタイミングでいかに指名検索されるかが、コンバージョン(以下、CV)獲得において重要なことが分かりました。しかし、分析を進める中で、そもそも指名検索されること自体が重要で、起点というタイミングは関係ないのではないか、という疑問がわいてきました。
そこで、通常の指名検索後のCVRと、第一想起分析による起点での指名検索後のCVRを比較したところ、後者が約2倍高いという結果になりました。

やはり検討の初めにブランド名を想起させることが重要だったのです。

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    【旅行業界】通常の指名検索と第一想起(起点での指名キーワード流出)のCVR比較

    ※集計対象期間 2021年4月1日~30日
    ※Yahoo! JAPAN調べ
    ※旅行業界平均

この結果には2つの側面があります。

1つはユーザー群が検討し始めたタイミングでの指名検索が重要である側面、もう1つは、「第一想起分析」がさまざまなフィルターを通して、分析すべきユーザー群に絞り込んでいるという側面です。
「第一想起分析」では、商材を検討していると考えられないユーザー群は、対象外としています。
例えば、旅行業界の分析では、対象サイトに1度しか遷移していないユーザー群は除外しています。仮説としては、特集などのコンテンツを見るためにたまたま遷移したことが考えられますが、検証したところ、実際にそのようなユーザー群の大多数がCVしていませんでした。
また、「キャンセル」や「予約確認」などCVに関係がない検索や、その時ニュースなどで話題になった事柄、対象商材と同音異義語などの検索をしているユーザー群も除外しています。
このようなさまざまなフィルターをかけることで、まさに商材を検討しているユーザー群に絞り込んで、自社ブランドの想起状況を精緻に把握できます。

そして、ブランディングの新たな指標として活用できるのです。

広告主に価値あるソリューションを

起点での指名検索、つまり、第一想起がやはり重要であることは分かってきました。

今後は、「どうすれば第一想起されるようになるのか」ということにフォーカスして開発を進めていきたいと考えています。

具体的には機械学習を用いて、後々に第一想起するユーザー群が検索前のタイミングで持っている特徴や傾向などを分析し、"見込み第一想起ユーザー群"へのターゲティング配信や、その特徴分析からマーケティング上の示唆を精度高く抽出できるようにしていきたいです。
また、第一想起獲得につながる広告フォーマットや広告掲載のタイミングなどについても研究したいと思っています。
このような分析や研究が本当に正しいものなのか、しっかりと検証を実施した上で、広告主の皆さまにとって価値あるソリューションを提供していきたいです。

そして将来は、ブランディングにおいて、ヤフーの「第一想起分析」を活用してPDCAを回すことが常識となっているような世界観を作り上げられたらと思っています。

自社のポジショニングの把握やブランディング広告の効果検証に、「第一想起分析」をぜひご活用ください。

資料ダウンロード
(PDF)


  • 達富 麦太

    ヤフー株式会社 マーケティングソリューションズ統括本部 テクノロジーサービス本部 データインテリジェンス部 アナリシス2


関連リンク:
よくわかる第一想起〜Yahoo! JAPAN第一想起分析
「第一想起分析」実際の検証例をご紹介(日産セレナ)(2021年4月7日)
「Yahoo! JAPAN 第一想起分析」を活用したデジタルブランディング

文責:西村 由梨子(ヤフー株式会社)

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