事例

「動的検索連動型広告」で新たな流入を獲得、リーチ最大化へ

2018年11月21日

楽天株式会社では「楽天市場」のリーチ拡大のために動的検索連動型広告を活用。従来の運用では網羅できていなかった新たなクエリーでの広告配信を実現しました。

キーワード登録なしで、関連性の高い広告を配信

「動的検索連動型広告(Dynamic Ads for Search、以下DAS)」では、プロモーション対象のURLを基に、関連性の高い検索クエリーに対して、適切なタイトルを自動的に生成して広告を配信します。キーワードの登録は不要で、ユーザーの検索意図にマッチしたページに誘導し、新たな流入の獲得を期待できます。

楽天株式会社では、約40万店舗、約2億商品を抱える「楽天市場」の集客に、DASを活用しています。同社では、広告掲載の目標に合わせて適正な入札価格に自動調整する「自動入札機能」を併用することで、効率も維持しながら配信を拡大しています。

目指すのは「最大化」、多様化するクエリーに対応するには

楽天株式会社 マーケティング部 カスタマーマーケティング課 サーチエンジンマーケティンググループ マネージャー 近谷 康氏(以下、近谷氏)は「当社では、スポンサードサーチの運用を自社で行い知見をためています。データをよりきめ細かく分析し、次のプロモーション施策へ生かすことで、効果の最大化を目指しています。従来の運用でも一定の成果を維持していましたが、配信ボリュームを増やしリーチをさらに拡大させるためには、別のアプローチが必要でした。そこで期待したのが、DASです」と話します。

同社 マーケットプレイス事業 マーケティング部 リスティングチーム アシスタントマネージャー 住谷 誠氏(以下、住谷氏)は「競合が増える中、リーチを増やすには根本的な改革が必要でした。広告の関連性を高めつつ、リーチを拡大させる新たな手法としてDASに挑戦しました」と振り返ります。

楽天株式会社 住谷 誠氏

「ユーザーは日々新しいクエリーで検索しており、登録したキーワードだけでは、多様化する検索クエリーをカバーしきれません。DASにはキーワードの網羅性とリーチの拡大に加えて、CTR(クリック率、Click Through Rate)の改善にも期待しました」と話すのは、マーケットプレイス事業 マーケティング部 サーチエンジンマーケティンググループ 坪井 佳子氏(以下、坪井氏)です。

導入当初は、これまでの出稿実績から特にコンバージョンの高い数十万ページを対象として、標準キャンペーン(※)と並行してDASを配信しました。両者の配信ボリュームと重複状況、引き当てられるクエリーを検証するとともに、CTR、CPC(クリック単価、Cost Per Click)、CPA(顧客獲得単価、Cost Per Acquisition)といった指標から効果、効率を検証して運用しました。

楽天株式会社 坪井 佳子氏

7割がDAS独自のクエリー。自動入札で効率的にリーチを拡大

DASで配信した結果、配信クエリーの7割以上が、標準キャンペーンでは配信していない独自のクエリーでした。「DASの配信では、これまでカバーできていなかった多数の検索クエリーを網羅できることが証明されました。配信前は、標準キャンペーンとのクエリー重複や、コンテンツにマッチしないクエリーでの配信に懸念がありましたが、まったく問題ありませんでした。検索クエリーとタイトル、ランディングページの関連性が高いため、CTRは標準キャンペーンと比べて約1.6倍に向上しました。関連性のないクエリーで配信されることもなく、当初想定していた対象外キーワードの設定などのメンテナンスも不要でした。ロングテールのクエリーが多く含まれるためCVR(コンバージョン率、Conversion Rate)は標準キャンペーンの方が高いですが、自動入札を活用することで、CPAを維持して適正な入札ができています」と坪井氏は話します。

DAS配信での独自クエリー率

近谷氏は「DASで配信されたクエリーの中には、過去に標準キャンペーンでキーワードとして入札した際に、効率が悪く意図的に配信していないものも複数ありました。しかし、よく調べてみるとそのクエリーは、DASにより配信されたタイミングでは、低単価で効果も高いのです。自動入札機能とDASを組み合わせることで、その瞬間の競合状況や検索条件を踏まえて効率よく配信できます。このような最適化は、人の手では対応しきれないことで、これらの機能を活用したからこそ得られた成果です」と評価します。

楽天株式会社 近谷 康氏

DASの活用と運用改善を進め、広告配信の最適化へ

現在、同社がDASに登録しているURLは約1.7倍になりましたが、CPAを維持したまま新たな流入を獲得できています。「楽天市場のページは常に変化しています。リーチを伸ばし続けるためにはDASで配信するURLをさらに増やしていきたいです。キーワードやランディングページによって、標準キャンペーンとDASのどちらが最適なのか見極めていきたいですし、使い分けられればさらに効率的な配信ができます」と住谷氏は今後の運用改善への意気込みを見せました。

広告運用の自動化が進むことで、可能性が広がると3人は口をそろえます。「DASや自動入札など、広告運用では自動化が加速しています。まだまだ進化する機能だと期待しており、さらに使いやすくなるように仕様改善のリクエストをヤフーの担当者に伝えていますが、真摯に対応いただいています。メディアと広告主とでデータを活用しながら効果検証を重ねていくことで、さらなる広告運用の最適化、効果の最大化を実現していきたいです」と近谷氏は期待を寄せました。


※ 「標準キャンペーン」は、広告を掲載したいキーワードを登録して、見込み度の高い集客を目的とする場合に使用するキャンペーンタイプです。

■企業情報

企業・団体名 楽天株式会社(外部サイト)
所在地 東京都
従業員数 16,411人 ※正社員および契約社員(就業人員ベース)、2018年6月現在
事業内容 1992年創業の楽天株式会社は、ECモールの楽天市場を始め、金融、株式などのFin Techサービス、デジタルコンテンツ、通信サービスなど、70 を超えるサービスを展開。グループサービスの利用者は全世界で12億人を超える。

(当記事は2018年10月の情報をもとに構成しています)