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代理店と試みた「ターゲティングの新たな活用」で住宅検討初期層へ効果的にリーチ

ミサワホーム株式会社

2022.08.04

ミサワホーム株式会社は、「注文住宅購入の検討初期層に広告を効果的に配信するため」にYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)において、オーディエンスカテゴリーを時系列で細分化し絞り込む「モーメントターゲティング」を実施しました。この施策について、同社の原亮太氏、広告代理店のメディアエムジー株式会社の高橋紗希子氏、広告運用を担当しているデジタルエージェンシーの株式会社アイレップの渡邊孝幸氏に伺いました。

モーメントターゲティングとは

モーメントターゲティングとは

「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」のカテゴリータイプで構成されているオーディエンスカテゴリーを時系列で細分化して絞り込む活用手法。これにより、カテゴリー内を時系列に区分することができ、例えば、商品決定前の想起を始めた初期層のみへ広告配信も可能です。詳しくは記事下部の資料をご確認ください。

※モーメントターゲティングはターゲティング活用手法です。機能ではないため広告管理ツールからの設定はできません。具体的な活用方法については、弊社担当営業までお問合せください。

「住まいを通じて生涯のおつきあい」をスローガンに

創業1967年、2022年10月に創立55周年を迎えるミサワホーム株式会社。南極昭和基地建設、JAXAとの共同研究等で培った技術やノウハウを生かし、安全性・快適性に優れた未来基準の住まいと豊かな社会づくりに貢献しています。現在は、テレビCMでおなじみの戸建住宅事業を主力に、土地活用、医院・介護施設、子育て施設、開発まちづくり・リフォームリファイニング、海外展開などのさまざまな事業多角化を進めている生活デザインカンパニーです。

目標

「住宅購入の検討度が高い」お客様を呼び込む

ウェブ広告においては「注文住宅購入の高モチベーション期に効率的に広告を実施し、反響のあったお客様を営業(オフライン)へつなぐという目標を持っている」という同社。

宣伝・Web企画課の原氏は「住宅は一生に一度の高い買い物であり検討期間も長いものです。そのため獲得単価(CPA)が高くなりがちで、獲得効率重視でサイトリターゲティング(以下、リタゲ)をメインに広告を展開してきた」と語ります。

ただ、時代はクッキーレス。今後、リタゲが難しくなってきていることは確実でした。ユーザーのプライバシーを適切に保護することを前提として、既存の広告手法に縛られない新しいことに積極的にチャレンジしてナレッジをため、成果をあげていくことが必要になってきていました。

ミサワホーム株式会社 営業企画部 宣伝・Web企画課 課長代理 原亮太氏

 

施策

モーメントターゲティングで住宅購入検討初期層にリーチ

そのような中、「脱リタゲ」を掲げ取り入れたのが、検討初期層にリーチできる新手法の「モーメントターゲティング」です。アイレップの渡邊氏によると「ユーザーのプライバシー保護を前提として、初期層をとらえたいというクライアントニーズにどうすれば答えられるかをヤフーの担当者と議論しました。これまではニーズに応じて行動予測(類似)や、サーチターゲティングなどの提案を進めてきましたが、より可能性の高い層になるべく早めにアプローチしたかったからです」
その渡邊氏の投げかけをきっかけにヤフー内で検討して、同様の課題をもつクライアントへ汎用的に展開できるものとして作ったのが、このモーメントターゲティングです。

株式会社アイレップ 第2コミュニケーションデザインUnit 渡邊孝幸氏

 

実施時期を検討する中で、住宅業界の新規ユーザーが増加するゴールデンウィークのキャンペーンで試すことに決まりました。実施に対して迷いはなく「積極的にチャレンジしたかった」と原氏。

「過去、オーディエンスカテゴリー(注文住宅)は獲得単価(CPA)と目標が乖離(かいり)するという経験がありましたが、今回採用したモーメントターゲティングは、ユーザーを検討初期・中後期に分けてオーディエンスカテゴリーとして設定できることがわかり、脱リタゲ対策として期待が高まりました」と高橋氏。

メディアエムジー株式会社 第1事業部 Webサポートグループ ディレクター 高橋紗希子氏

 

結果

キャンペーンの申込率1.53倍、申込獲得単価42%改善

結果、同時期に出稿したオーディエンスカテゴリー(購買意向/不動産/注文住宅)と比較して、キャンペーンの申込率(CVR)は1.53倍。申込獲得単価(CPA)は42%改善と大きく成果を上げることができました。また、自動入札を早期に導入できるなどの運用面の改善にもつながりました。

通常、獲得効率を重視するとユーザー数のボリュームが少ない(けれども精度が良い)ターゲティングになります。また住宅検討者のコンバージョンは短期間に大量に獲得できるものではありません。特に期間限定のキャンペーンを実施する際は、運用面で推奨とされている自動入札導入の難易度が高い状況でした。モーメントターゲティングによって、リーチ数が増えたことにより配信ボリュームも多く、獲得効率も良かったため、コンバージョンを早期に多く獲得できました。そのため、早々に自動入札が導入できました。

オーディエンスカテゴリーとモーメントターゲティングでの比較

※オーディエンスカテゴリーは「購買意向/不動産/注文住宅」で実施
※モーメントターゲティングさかのぼり期間1カ月間
※配信期間 2022/4/27〜5/21
※自動入札のタイプはコンバージョン数の最大化

「ミサワホーム様の場合、最適化には通常1週間ぐらいかかっていましたが、今回は2、3日で自動入札が走り出し、非常に運用をまわしやすく、結果、成果も高くなったと思います」と、渡邊氏。

結果を受けて高橋氏は「今後の広告施策に展開できる良い結果となったと思います。住宅の検討初期層への広告配信により、多くのハウスメーカーの中から、まずはミサワホームを知ってもらうきっかけを作れたのではないかと思います。検討初期層へ最初にアプローチするということはとても重要なことと考えているため、大きな成果でした」と語ります。

また原氏によると「弊社の調査では通常の申込の新規率は約60%、リタゲだと30〜40%なのに対し、モーメントターゲティングの配信での申込は75%が新規ユーザーでした。これは非常に驚きでした」とのこと。

今回、住宅検討初期層へアプローチしたいというニーズに対して、新規率の増加を実現させ、脱リタゲのターゲティングという同社の課題を解決することができました。

展望

DX化に向け、新しいアプローチ方法の確立へ

「5月にミサワホームラウンジ(外部サイト)という住まいづくりを楽しむためのコンテンツを充実させた会員制サイトを立ち上げました。住宅展示場に足を運んでいただく前に、ニューノーマルのこれからの住まいづくりを動画やマンガ、コラムなどでわかりやすくご覧いただけるようになっています。また、住まいづくりの検討を進めていく上で振り返りや補足的な情報収集などにも使っていただけるかと思います」と原氏。

「私たちは今後もこのようなデジタルシフトを加速させていきます。より広いお客様にアプローチするために、今後もモーメントターゲティングのような新しい方法を一緒に検討していただきたい」と締めくくりました。

資料ダウンロード



本記事の事例も掲載された活用事例をまとめたCASEBOOK(PDF)のダウンロードはこちら

企業情報

企業名
ミサワホーム株式会社(外部サイト)
所在地
東京都
事業内容
建物及び構築物の部材の製造及び販売、その他関連事業

当記事は2022年6月の情報をもとに構成しています。掲載内容、所属団体、部署名、役職名等は、取材時のものです。

文責:紅露佳子(ヤフー株式会社)

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